食生活の見直しや日常の生活に運動療法を取り入れることは症状の改善に大きな効果があります。
食事相談については保険が適用されます。
収縮期血圧140mmHg以上
拡張期血圧90mmHg以上と
定義されています。
遺伝・塩分の取りすぎ・肥満・運動不足・ストレスなどの生活習慣が原因となります。
高血圧基準値:家庭血圧計で図る場合は、135/85mmHg以上が高血圧です。
日本高血圧学会は、高血圧の治療に対する目標値を以下のように設定しています。
若年・中年までの方
収縮期血圧 130mmHg未満
拡張期血圧 80mmHg未満
糖尿病+腎臓の悪い方
収縮期血圧 130mmHg未満
拡張期血圧 85mmHg未満
高齢の方(65歳以上を目安)
収縮期血圧 140mmHg未満
拡張期血圧 90mmHg未満
日本人に多い脳卒中は高血圧との関係が強く、また高血圧では臓器障害も進行するので、血圧をしっかり持続して下げることが大切です。
※野菜・果物の摂取は腎臓の病気の方にはお勧めできません。また糖尿病の方には、果物の摂取がカロリーの増加につながることがあるのでお勧めできません。迷ったり分からないことがあれば医師や栄養士などに相談してください。
生活習慣の改善を行っても効果の認められないときに、薬物療法を追加します。
空腹時の血糖値が126mg/dL以上、空腹時・随時血糖が200mg/dL以上、HbA1cが6.1%以上と定義されています。
遺伝的体質の他に、肥満・過食・運動不足も原因となります。
食事療法・運動療法を行っていても、血糖値が下がらない場合は薬物療法が考慮されます。
※治療方法は、患者さまによって異なります。必ず医師に相談しましょう。
空腹時の血液中の脂質が、
総コレステロール220mg/dL以上
HDL-コレステロール(善玉コレステロール)140mg/dL以上
LDL-コレステロール(悪玉コレステロール)40mg/dL未満
トリグリセリド150mg/dL以上
と定義されています。
コレステロールのうち、LDLは「悪玉」と呼ばれ、増えすぎると動脈硬化を進行させます。対照的にHDLは「善玉」と呼ばれ、動脈硬化の進行を抑制します。
危険因子を併せ持つほど動脈硬化のリスクが高まるため、危険因子の数で治療目標値が異なります。
生活習慣を改善しても脂質が目標値に届かないときは、薬物療法を追加します。勝手に薬をやめたり、生活習慣が元に戻ると、治療前よりも悪化してしまう恐れがあります。根気良く気長に病気とつきあう心構えが必要です。
生活習慣病やメタボリックシンドロームは、放置すると動脈硬化が進行し、血管に重大な障害をおこします。さらに症状が進行すると、心筋梗塞や狭心症・脳梗塞・脳出血・などにもつながる恐れがあります。定期的に健康診断を受けたり、自分で血圧を測ったりして早期に症状を発見し、治療を始めましょう。また、普段から生活習慣病やメタボリックシンドロームにならないよう、正しい生活習慣を心掛けましょう。
「メタボリックシンドローム」とは、「内臓脂肪の蓄積」が原因で、コレステロール・血圧・血糖値などが少し高くなり(高血圧・高脂血症・糖尿病)、それらが複数重なった状態を言います。この状態を放っておくと動脈硬化が進行し、心筋梗塞や脳卒中などを招きやすくなります。内臓脂肪の蓄積を正確に知るためにはCT検査をおこなう必要がありますが、ウエスト径でも内臓脂肪の判定が可能です。
立った姿勢で、息を軽く吐き、おへその位置でウエストを計ってください。 ※明らかにおなかが出ている人は下の肋骨と骨盤の中間ぐらいを測ってください。
ウエスト径が男性の場合は85cm、女性の場合は90cm以上あると内蔵脂肪の蓄積があると考えられます。この腹部肥満に加え、以下の項目のうち、2つ以上あてはまる方はメタボリックシンドロームと診断されます。
高トリグリセリド血症 150mg/dL以上
かつ/または
低HDLコレステロール血症 40mg/dL未満 男女とも
収縮期血圧 130mmHg以上
かつ/または
拡張期血圧 85mmHg以上
空腹時血糖 110mg/dL以上
メタボリックシンドロームの治療では、まず原因となる内臓脂肪を減らす必要があります。他の生活習慣病と同様にバランスのよい食事と適度な運動をおこなうことにより、内臓脂肪を減らすことができます。
動脈硬化とは、動脈にコレステロールや中性脂肪などがたまって、詰まったり、硬くなったりして弾力性や柔軟性を失った状態をいい、動脈硬化になると、スムーズに血液が流れなくなります。動脈が弾力性や柔軟性に富んでいれば、心臓や脳などの臓器や筋肉などの組織に必要な酸素や栄養の供給は行なわれます。しかしコレステロールなど血液の脂質が、動脈にたまったり、酸素や栄養が不足したり、高血圧により常に血管に負担がかかったりしていると、動脈は弾力性を失い硬く、もろくなってしまいます。このような状態を動脈硬化というのです。
動脈硬化は、食事・運動・喫煙・飲酒・ストレスなどの生活習慣の違いによって大きく影響されることがわかっています。たとえば、動物性脂肪の多い高カロリー食は、血中の悪玉コレステロールや中性脂肪を増やし、過酸化脂質を増加させます。それらが血管壁に付着して血管を詰まらせたり、血管が破れたりする原因になります。また、動脈硬化は、動脈硬化の危険因子である高血圧・高脂血症・糖尿病・肥満・喫煙・運動不足、偏った栄養バランスの食事・アルコール・加齢・ストレスの有無などについて確認し、生活習慣を見直し、予防することが大切です。
ABIは、下肢の”比較的太い血管のつまり具合”を知る検査です。動脈血管壁は、コレステロール等の脂質が沈着し、血管が弾力を失い、硬化します。そして、内腔が狭くなった状態や弾性が低下した様子を数値化して知ることができるのがABI検査なのです。ABI は、両腕と両足首の4か所で同時に血圧を測り、自動的に分析する「血圧脈波検査装置」を用いて検査します。通常は下肢(足関節)の血圧は上肢(腕)の血圧と同じか少し高いのですが、この比が0.9以下の時は、下肢の動脈に狭窄または閉塞が疑われます。また、血圧の左右差を知ることも重要で、これも同時に検査できます。ABI 検査は痛みを伴いません。心電図を検査するベッドに安静に横たわっていただき、腕と足首を出していただくだけのことです。この検査のために、ベッドに横なる時間は約10分です。